バクシーシ

◆バクシーシ

イスラム圏(主にインドやエジプト)には「バクシーシ」という、チップに似た習慣がありますが、両者の性格はかなり異なっています。

チップが、サービスを享受したことへの対価という性格であるのに対し、バクシーシは、金持ちが、そうでない人に施し物をするという「喜捨」の考え方に立脚しています。

ただし、喜捨の場合は持つ者が持たぬ者に与える行為であるのに対して、バクシーシの場合はこれがねじれ、持たぬ者が持つ者に積極的にせびるという形になっています。

バクシーシの額が少額だと、受け取った側は侮辱されたと思い、逆に高額だと、いいカモだと思われてしつこく何度も要求されたりすることもあるので注意が必要です。

観光地の村で、乞食や子供が「バクシーシ」と言って観光客に迫ってくる場合があるが、観光客は無視して構わないのです。特に子供の場合、バクシーシをせびることを親から禁じられています。 バクシーシ、というのは「ほどこし」と言う意味になるでしょうか。

インドあたりからアラブ方面では共通語になっています。 ですが、これがインドやエジプトなど、観光客のたくさんいる国になると、「たかり」でしかなくなってしまいます。 乞食は、観光地はもちろん、駅前にも、繁華街にも、どこにでもいます。

というより、旅行者は彼らに施してくれる最得意客であるので、うるさいほどまとわりついてきます。乞食に施しをするのかどうかは、個人の自由に属する問題であるから干渉しません。ただ、誰かに施せば、周囲から仲間がつぎつぎに集まってくることは覚えておいたほうがいいでしょう。

ある者に施し、ある者には施さない、という事はできないのです。あなたの暖かい志をまんべんなく施すか、インドの問題には干渉しないという態度をとるのかは一貫させておかなければならないのです。

ヒンドゥー教では、バクシーシ(喜捨)は功徳であり、富める者が貧しい者に施しをするのは当然だという考えがあります。したがって、一般の市民が普通の行為として、乞食にバクシーシを渡しています。彼らの相場はRs1ぐらいで、よほどの上流階級の者でもRs5くらいです。

ところが、貨幣価値を理解していない旅行者の中には、Rs100だとかRs500もの大金を施す者も少なからずいます。それで、外国人旅行客をみると、しつこくまとわりついてくるのです。だからといって、通りすがりの者が、社会慣習のバランスを崩していいはずがないのも重要。

また、いくらずうずうしくても、理不尽なバクシーシを要求してきたとしても、暴力をふるったり、手荒なまねをしてはいけません。大騒ぎになるだけではなく、最悪の場合、警察のごやっかいになることになってしまうからです。

ところで、乞食の社会にも縄張りがあり、シンジケートが形成され、ボスがいるのも事実です。そして、幼児を誘拐してきたり買ってきて、哀れみをこいやすいように、腕や脚をわざとかたわにしたり、切断したりすることがあるというのは知っていたほうがいいかもしれないです。

●サドゥ(修行僧)

乞食とほとんど変わらない格好をしていて、見分けをつけにくいのがサドゥです。サドゥは、一切の物を捨て、自らに業を課して修行に励む者たちです。一般に老人が多いが、必ずというわけではありません。

ヒンドゥー教の最高の生き方であり、高い精神性を持っている者たちであり、最も貴ばれる者たちです。乞食のように向こうから近づいてくるということはありません。たまたま、前を素通りしていこうとしたとき、お前は俺のことがわかっているのかという目でにらまれるだけです。

バクシーシするかどうかは、個人の自由ですが。 路上生活者  不可触民だとか貧しい小作農だとかが、大都市に職を求めて、あるいは施しを求めて大量に流れ込んでいます。彼らの多くは、農地といった生産基盤をほとんど持たない、仕事があるときだけの日雇いです。

そのため、天候不順などが起こると、彼らの生きる糧のもととなる仕事が無くなってしまうのであります。仕方なく、全財産とおぼしき物を持って、家族ともども流れこんでくるのです。駅の周辺は、水が得やすいためか、とくに多いのが特徴です。

大都市の主要駅の周りには必ず巨大なスラムが形成されています。乞食の予備軍と言えなくもないが、何か運命に諦観したふうで、乞食のように積極的に物乞いをしたりするわけではないです。


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●ゴミ拾い

町中で、紙くずや金属製品、プラスチック類を拾い集めている人々に出くわすことがあります。彼らの身なりはきわめて汚いのです。だからといって、彼らは乞食ではない。そういうジャーティなのです。すなわち、彼らに委ねられた職務を全うしようとしているだけなのです。

そして、彼らはけっして物乞いしたりはしないし、施しを受けることはプライドに関わる重大事であります。彼らを、乞食と混同してはならないのです。 ちょっと何かしてくれたと思うと、それが親切ではなくて、バクシーシを期待していることが多く、がっかりしてしまいます。 乞食も多いです。

人混みで私の袖をつかんでずっとついてくる子供。哀れな顔をして手をのばす女性。みんな本当に貧しそうです。 そういえば、インドでは食べ物を残した場合、捨てる必要は不要です。そこら辺の乞食や子供がいくらでももらってくれるから。捨てては、ダメです。

インドから帰ると、物を妙に大切にしたりするのはそのせいかも知れないです。 どうしようもない貧しさを脱することは、インド社会ではできないのかも知れないのです。 駅にシャワー室まであるのは、待合室で寝ているのは、そういう貧しい人が多いからかも知れないです。

ちなみにインド諸国等でのチップの習慣は欧米諸国ほど厳密でなく、ホテルによってはポーターの料金と宿泊をセットで請求するところもあります。荷物1個につきRs1~Rs2程度、レストランでは料金にサービス料が含まれていない場合にRs1~Rs2渡す程度で大丈夫です。

高級ホテルでの場合は、ポーター、レストラン、ベッドメークともRs5からRs10くらいになるますでしょうか。